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保健

保健授業の挑戦

学びの創造とデザイン

著者:
七木田文彦 著 
  • 内容紹介
  • 目次
  • 追加情報

行動する研究者として、20年間教室を訪問して目にした子どもの姿から「学び」の事実を見取る。具体的な授業の様相を理論と実践の往還にもとづいて描き出し、保健授業改革の道筋を示す。

刊行に寄せて(佐藤学)

プロローグ 保健授業の「学び」へ誘う
 1 教室からの改革
 2 「学び」とは何か
 3 「授業」とは何か
 4 保健の「学び」はなぜ生まれにくいのか

第Ⅰ部 保健の「学び」と出会う

第1章 「教えること」から「学ぶこと」へ。
 1 綿密に準備された授業(plan)の遂行――「生活習慣病の予防」の授業から
 2 「教える―教えられる」関係からの離脱
 3 かかわり方の知恵
 4 これまでの「教育」を乗り越える

第2章 「背伸び」と「ジャンプ」による学び――中学校「応急手当」の授業実践から
 1 「基礎基本」から「応用発展」へというあたりまえを問い直す
 2 廣井実践「応急手当」の授業から学ぶ
 3 ジャンプのある学びの課題
 4 ヴィゴツキーの「発達の最近接領域」
 5 どのレベルに課題を設定するか
 6 「基礎基本」にもどる

第3章 教室の事実から学ぶ――子どもの声を聴き、「学び合い」を見まもる
 1 できすぎた子どもたち
 2 議論を子どもにゆだねる――藤田実践「育ちゆく体とわたし」
 3 「何もしないこと」を「する」――成熟する時間
 4 「猫の満足」に表現された「学び」の本質
 5 親の学習参加へつなげる
 6 藤田実践のすばらしさと課題――グループのつなぎ方

第4章 少人数グループによる学び合い――表現し、響き合う子どもたち
 1 「よい授業」を追い求めて
 2 「よい授業」といった価値観の崩壊
 3 主体的参加とグループ活動――「よくまわるコマを作ろう」
 4 グループとは何人か――5人グループで泣き出してしまった子
 5 4人グループをつくる
 6 子どもたちの言葉で響き合う――「他者の言葉」が「自身の言葉」となる
 7 「わかる」の4段階――「互恵的な学び」へ
 8 「わからない」ことの共有

第Ⅱ部 保健の「学び」が生まれるとき

第5章 子どもの学びに焦点化した授業研究――「学び」を切る言葉、「学び」へと誘う言葉
 1 子ども不在の校内研修
 2 教師が育つ学校――関係を見る
 3 教師にとって都合のいい言葉――「他には」「後でね」「わかった?」
 4 教師が発する言葉の意味――「応急手当」の事後研究を例に
 5 「学び」を切る言葉
 6 どの場面をとりあげて、学びへつなぐのか
 7 実践の中で学びをデザインする

第6章 「教材」研究から「学び」のデザインへ――「教材のパッケージ化」と「学びの創造」
 1 「教材」≠「教育内容」
 2 もう一つの事例――「「三権分立」の授業
 3 子どもの内面に「問い」を立てる――「健康の考え方」の教材を作る
 4 「異なる考え」との出会い――なぜ「延命治療」を選択しないのか
 5 子どもが「経験」から「想像」できるか
 6 「アイデア」と「インフォメーション」の融合

第7章 「がん教育」におけるオーセンティックな学び
    ――子どもの学ぶ姿から今後の実践のヴィジョンを探る
 1 子どもの「がん」のイメージは?――先行する「恐怖」
 2 「狭く深く」、そして「広げる」展開へ
 3 身近な人が「がん」になったとき――がん経験者との対話から学びを深める
 4 3文字に表現された学び
 5 学習内容の広さに戸惑う

第8章 教具を越えて子どもと向き合う――つぶやきを聴き、学びへつなげる
 1 根本実践「手や体をせいけつにしよう」(3年生「体の清潔」)
 2 どうすれば清潔になるのか?
 3 よく準備された教具――寒天培地かブラックライトか
 4 教具へのまなざし――「手洗い」から「体の清潔」へ広げる
 5 「30秒」の壁を越えるとき
 6 「つぶやき」を学びにつなげる

第Ⅲ部 保健の「学び」が深まるとき

第9章 「深い学び」はどのようにして可能になるのか
 1 「健康と環境」の授業の難しさ――深まりが持てる内容なのか
 2 教師にとっての「深い学び」――水俣病を例に
 3 視点の転換――「チッソは私であった」
 4 「環境」を外に置くか、内に置くか――「私の中の“加害者”」
 5 「知らないことを知らない」から「知らないことを知る」ことへ
 6 自らの思考の枠組みにアプローチする
 7 「深い学び」へ誘い――自ら変わることによってはじまる往還作用

第10章 「話し合い」から「学び合い」へ
 1 「活発に活動するグループ」と「静かなるグループ」の学び――思考の活動を見とれるか
 2 子どもと教師の2年後に学ぶ――「病気(感染症)の予防」を例に
 3 「人ごと(他人ごと)」として考えられた答えを砕く
 4 「つなぎ」「もどし」「再ジャンプ」しながら学びへ誘う
 5 「できるだけ」を乗り越える――「状況との対話」
 6 教師の不安はどこからくるのか――「話し合い」のプランから「学び合い」のデザインへ
 7 「学び」を生み出す専門家――行為しながら考える

第11章 対話(dialogue)をデザインする――子どもの表現を受け止め、「学び」へつなげる
 1 経験していないことを学ぶ――きれいな「言葉」が上滑りしていく
 2 子どもの声が聞こえない
 3 他者の「言葉」を自身のものにする――「飲酒の害」を例に
 4 教室という場所でのコミュニケーション――形式的な検討時間とワークシートのあり方を再考する
 5 「話しことば」と「書きことば」によるコミュニケーション
 6 「差異」の受容からはじまる学び
 7 「小さな声」をとりあげられるか
 8 「参加」の瞬間

エピローグ 保健の「学び」の創造へ――「授業づくり」から「学びのデザイン」へ
 1 教師が何かをつかむ――子どもによって教師が支えられる教室
 2 「学びの共同体」の<ヴィジョン>を<哲学>と<活動システム>
 3 今の時代を生きる私たちにとって「縄文土器」を学ぶ意味は何か
 4 「『健康』を学ぶ意味」について――実感のない学び
 5 行動科学はなぜ注目されるのか――予測可能性の中を生きる
 6 生きる目的と手段のズレ――「未来志向」と「現在志向」との間で

■文献・註
■あとがき

出版社:
大修館書店
判型:
46
ページ数:
定価:
1,980円
(本体価格:
1,800円+税)
ISBN:
9784469269055
発売日:
2021年 4月 7日
読者対象:
中級