
-
Category
体育基礎から学ぶ スポーツ運動学
- 著者:
- 佐野淳 著
- 内容紹介
- 目次
- 追加情報
運動の学習者・指導者の誰もがつまずきがちな悩みに、運動する人の「意識」と「感覚」から迫り、課題解決を目指す「スポーツ運動学」。スポーツ実践者に寄り添い、現場の指導をよりよいものにするために構想されたスポーツ運動学を、基礎からやさしく解説した、運動・スポーツ関係者必携の入門書。
まえがき
第Ⅰ章 スポーツ運動学基礎理論
第1講 スポーツ運動学はどんな学問か
(1)スポーツ運動学が扱う領域
(2)スポーツ運動学の理論の特徴
【column】教育学的視点に立っていることの意味
第2講 運動研究における科学と哲学
(1)「できる」ことに対する問題意識~科学と哲学~
(2)科学と哲学の方法論
【column】運動現場は哲学する場
第3講 スポーツ種目の分類
(1)勝敗の決定方式による分類
(2)各競技領域における数字の性格
(3)各競技領域におけるフォームに対する考え方
(4)よいフォームの獲得の重要性
【column】よいフォームを「想像」できるか
第4講 「わざ」であることの認識
(1)身体運動の「わざ」的認識
(2)スポーツの動きの「わざ」的認識
【column】『わざの伝承』の理論(金子の考え方)
第5講 「わざ」の生成
(1)わざ生成と形態学
(2)創発と促発
【column】わざ言語、技術の運動表記の重要性について
第6講 わざの生成意識:局面分節意識
(1)マイネルの局面構造
(2)局面の分節意識
【column】「わざ」の遂行意識と局面展開の意識
第7講 わざの生成意識:リズム意識
(1)リズムの概念
(2)わざを成立させるリズム意識
【column】リズムの語源
第8講 わざの生成意識:順次性、やわらかさ、読む、正確さ、なめらかさ、調和
(1)順次性、やわらかさ、読む
(2)正確さ、なめらかさ、調和
【column】わざを「追求」する
第9講 「できる能力」の「身体知」的認識
(1)「できる能力」をどう考えるべきか
(2)感覚運動知への注目
(3)「できる」をもたらす「身体知」
【column】身体知への注目の意味
第10講 創発身体知~「できる」ための「身体知」~
(1)練習する私の「身体知」~創発身体知~
(2)創発身体知の構造
【column】創発と直観(ベルクソン)
第11講 促発身体知~「できるようにさせる」ための「身体知」~
(1)教える指導者の「身体知」~促発身体知~
(2)促発身体知の構造
【column】学習者の「動きの感じ」を想像する
第12講 わざの習熟
(1)「動きかた」の技術的習熟
(2)機能分化的形態変容
【column】未分化から分化へ~澤瀉の考え方~
第13講 わざの質追求の志向性
(1)学習者の意識状態
(2)わざの意識と志向性
【column】関心と志向性
第14講 成長に伴う運動系の発達様相と指導
(1)0歳児から小学校期まで
(2)性的成熟期から老年期まで
【column】メタモルフォーゼの概念と人間の運動発達
第15講 指導者に必要な指導態度
(1)「人」の指導であること
(2)指導者と医道の精神
【column】澤瀉の「医学概論」の今日的意味とスポーツ運動学
第Ⅱ章 スポーツの技術論~「できる」動きかたの理論~
第16講 「できる」ための技術
(1)運動における技術
(2)体力と比較される技術
(3)スポーツの世界における技術概念の台頭
【column】技術の可視性の意味
第17講 競技力を支える技術
(1)スポーツにおける競技力
(2)競技力を支える技術力
(3)有効性の観点による技術の分類
【column】技術力とは?
第18講 技術の獲得
(1)練習の概念
(2)練習対象
(3)技術習得の意味
(4)「できる」の不安定さをめぐる問題
【column】国語学者・時枝誠記の言語習得の考え方~習慣の獲得~
第19講 「できる」状態の判断
(1)「できる」~課題達成現象~
(2)「できる」を判断する基準
(3)「できる」の表現と区別
【column】なぜ「できなくなる」のか?
第20講 「できる」の実存的性格
(1)努力性
(2)即興性
(3)洗練化志向性
(4)パトス性
【column】「できる」ようになることは個性的になること
第21講 技術とコツの関係
(1)技術とコツの接点
(2)テクネーとトリベー
【column】アリストテレスの技術思想
第22講 コツ体験の構造
(1)「体験」してはじめてわかるコツ
(2)体験のパターン構造
(3)体験図式
【column】図式技術ということ
第23講 コツの意味類型
(1)どう動くべきかの「考え方」~意味類型~
(2)ドイツ語学者・関口存男の意味形態の理論
(3)話者の考え方としての意味形態
(4)動きかた、意味類型、図式技術
【column】関口の意味形態文法(論)とスポーツ運動学の考え方
第24講 コツの発話構造
(1)コツの言語表現と時枝誠記の文法理論
(2)言語表現の構造
(3)コツ内容と言語表現の関係
【column】コツはことばで説明できるか?
第25講 できる論理としての技術
(1)論理に従う動きかた
(2)誰もが「頭の中」で取り上げる「できる論理」
(3)できる論理の社会的性格
(4)動きの要素の機能的順次性
【column】スポーツの技術のラング的考え方
第Ⅲ章 わざ指導の促発方法論
第26講 わざの観察
(1)わざ観察力
(2)頼される専門的眼力
【column】ゲーテの対象的思考(思惟)
第27講 「わざ」のゲシュタルト的認識
(1)ゲシュタルト心理学の台頭
(2)運動に対するゲシュタルト的見方
(3)指導法への影響
【column】全体練習と部分練習
第28講 わざの「時-空間」認識
(1)体験の基準点─絶対ゼロ点
(2)生命的時間、生命的空間
(3)右と左
(4)定常的体験─近位空間、遠位空間、競技空間
(5)天地空間、身体空間
(6)生命的な力動要因
【column】「できる感じ」が気になること─わざ追求の起点
第29講 わざの巧拙評価
(1)わざの客観的評価と主観的評価
(2)量と質の関係
(3)指導者の巧拙評価と学習者が感じているわざの「感じ」
【column】動感とは何か?
第30講 わざの意味と価値
(1)スポーツ種目におけるわざの視点~意味と価値~
(2)わざができる~意味的視点~
(3)わざをよくする~価値的視点~
【column】理想像の考え方
第31講 わざ指導における実存認識
(1)私という人間~実存~
(2)実存的立場
(3)人間的交流としての「わざ」の促発指導
【column】促発指導の本質~仁術的指導~
第Ⅳ章 「できる」ための現場の運動分析~スポーツ運動学的分析~
第32講 発生分析~わざの現象学的-形態学的分析~
(1)運動現場で行う論理的分析
(2)促発分析における借問の方法論
(3)促発分析における形態分析
【column】わざの微妙な変化を表現すること
第33講 「現存在分析」的運動分析~わざの実存分析~
(1)現存在分析~精神医学における分析法~
(2)現存在分析の方法論的特徴~判断中止~
(3)スポーツ現場における現存在分析の可能性
【column】運動現場における人間の「現存在」という見方の意義
第Ⅴ章 発生運動学の誕生
第34講 スポーツ運動学の再編とその理論基盤
(1)マイネルの『運動学』の登場
(2)形態学思想の復活
(3)モルフォロギー運動学の理論補強
~金子の発生運動学の構想とその理論基盤~
(4)今日のスポーツ運動学の学問的特徴
【column】スポーツ運動学が現象学的理論であることの意味
あとがき
引用・参考文献
さくいん
